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サスペンションセッティング 基礎編

今回はサスペンションのお話。

 

最近では新車状態でかなり立派なサスペンションが装備されていますね。

オーリンスが標準装備の車両も増えてきました。

 

そして、皆さんのお乗りのバイクのサスペンション。

色々といじることができるって知っていました?

サスペンションをよく見ると、回すところや、動くところが多々あると思います。

そうこれ。

サスペンションセッティングを変えるための部品なんです。

 

現状のままで乗っている皆様。もっとバイクを楽しんでみませんか?

サスペンションセッティングは、サーキットだけのものではありません。

街乗りのオーナー様も、変更することで、感動していただく事が多いです。

 

そんなわけで、今回は、リアサスペンションのメンテナンス、仕様変更作業と、サスペンションの簡単なセッティングのお話です。

今回の作業はオーリンス、TTXシリーズのリアサスペンション。

 

まずは現状を確認します。

 

サスペンション本体には様々な、操作できる部分があります。

 

今回のリアサスペンションでは、

プリロード、テンション、コンプ、バネレイト、サスペンション全長です。

 

これがフロントフォークとなると、

プリロード、テンション、コンプ、バネレイト、つき出し、オイル粘度、油面となります。

 

これらを操作し、セッティングを出していきます。

では、それぞれが今、どんなセッティングになっているかを確認していきましょう。

まずはプリロード。

これは、今バネがついている状態での、バネの長さを測定しておきましょう。

後で計算に使います。

148.5㎜でした。

次に、テンション。

これは減衰ですね。

メーカーによって刻印されている名前、呼び方は様々です。

オーリンスの場合はリバンプと呼び、刻印されています。

これは、サスペンションが伸びる時のスピードを調整するものです。

右に回していくと固くなり、左に緩めていくと柔らかくなります。

また、テンションの数値は一番固いところから何クリック、または何周かで読み取ります。

一番固いところが1。

ここから。1・・2・・・

13クリックですね。

続いてコンプ。

これはサスペンションが縮む際のスピードを調整します。

同じく、右に回していくと固くなり、左に緩めていくと柔らかくなります。

コンプも同じように、一番固いところから何クリック、または何周かで読み取ります。

一番固いところが1。

ここから。1・・2・・・

4クリックですね。

次にバネレイト。

バネはそれぞれ硬さが存在します。

純正以外のサスペンションだと表記されていることも多いです。

これは90N/㎜ですね。

 

90N/㎜ とは、90Nかかると1㎜動くバネの仕様です。

つまりこの数字が、大きければ大きいほど固いバネとなります。

それでは先程測定したスプリング自由長ですが、

このバネの自由長は約158.5㎜。

そして、先程測定した、サスペンションに取り付けた状態のバネの長さが148.5㎜。

これを引き算します。

すると10㎜。

これがプリロードの数字になります。

 

ここで注意してほしいのが、

バネは、使い込んでくるとへたってきます。

これはどんなバネでも同じです。

つまり、外側にいかにプリントされていようとも目安でしかありません。

バネレイトも、いざバネ屋さんに再測定してもらうと、少しずれています。

自由長も表記通りではないことも多いです。

バネレイトは難しいですが、自由長はこのように毎回、必ず図りましょう。

ちなみに弊社で使用しているスプリングコンプレッサーはJトリップさん。

あらゆるサスペンションに対応し、強度も十分。

重宝しています。

 

最後にサスペンション長さ。

これはリアの車高を変化させます。

車両のリンク周りの構造にもよりますが、

今回の車両では、長ければしゃこうが上がり、短ければ車高が下がります。

アフターパーツですと、調整できるものが多いです。

 

しかし、短くするにも、長くするにも限度があります。

セッティング的な限度もそうですが、物理的に危険があるほどのばしてはいけません。

オーリンスの場合ですと、ネジ部に線が入っており、

これ以上は危険ですよ、と知らせてくれます。

 

では、このサスペンションの長さを測定します。

今回はノギスを使用し測定。

穴と穴に引っ掛けます。

316㎜でした。

 

しかし、本当に測定したいのは穴の中心から穴の中心まで。

この測定方法では穴の外側から穴の外側まで測定しています。

そのため、穴の内径を測定数字から引き算すれば中心から中心の数字が出ます。

更に注意しなければけないのが、サスペンションにはメインのバネと、トップアウトと呼ばれるバネと、2つ入っています。

このトップアウトスプリングが入っている為、フリーの状態で計っても少し短くなります。

このため、測定時は、しっかり手でサスペンションを伸ばして図りましょう。

すると実際の全長は306㎜となりました。

 

さて、では分解、清掃して、お客さまの希望セッティングに変更し、完成。

 

いかがですか?

今回はまず、サスペンションの構造と、セッティングの読み方についてお話ししました。

 

後は、現状、走りにどのような問題があるか。

曲がりにくい。柔らかい気がする。などのお声をいただき、HRTSではご相談にのらせていただいています。

 

まだまだバイクで遊べることは多いんだよ?

というお話でした。